デザインの心理効果 No.2 -【ジャムの法則】
デザインの心理効果 No.2 -【ジャムの法則】
ジャムの法則
とは、選択肢が多すぎると、選択肢の中から1つを選択・決定することをやめてしまう心理現象のことです。
別の言い方で「選択回避の法則」「決定回避の法則」とも呼ばれます。
今回は「ジャムの法則」という表現の仕方で紹介していきます。
目次
・ジャムの実験内容
・ジャムの実験結果
・最適な選択肢はいくつ?
>5〜9個(7±2)
>松竹梅の法則
>1択のみはNG
・デザインへの活用方法
・まとめ
・ジャムの実験内容
ジャムの法則は1995年にコロンビア大学に所属するシーナ・アイエンガー教授により提唱されました。
実験内容は以下の通りです。
スーパーマーケットに2つのジャムの試食コーナーを設けました。
そして、どちらのコーナーの方が多く購入されるのかを検証しました。
“試食コーナーの内容”
6種類のジャムが置いてある試食コーナー
24種類のジャムが置いてある試食コーナー
皆さんはどちらの方が多く人が集まり、どちらが多く購入されたと思いますか?
実験の結果はこちら↓↓↓
・ジャムの実験結果
実験結果は以下のようになりました。
6種類のジャム
試食をした人の割合→40%
試食後に購入した割合→30%
全体の購買率→12%
24種類のジャム
試食をした人の割合→60%
試食後に購入した割合→3%
全体の購買率→1.8%
なんと試食に来た割合は24種類のジャムが置いてあるコーナーの方が多かったですが、最終的に購入した割合は6種類のジャムが置いてあるコーナーの方が10倍も高いという結果が出たのです。
ジャムの実験結果から言えることは、人は選択肢が多すぎると悩み、選ぶものを考えることにストレスを感じて選択をやめてしまいやすくなるということです。
・24種類も試食しきれない
・もっと良いものがあるかもしれないと思ってしまう などが考えられます
日常生活でも選択肢が多すぎて選びきれないときってありますよね。
その現象はジャムの法則が関わっているからなのです。
・最適な選択肢はいくつ?
24種類より6種類の方が売り上げに繋がることがわかったと思います。
では、選択肢はいくつあるとベストなのでしょうか?
最適な選択数とやめた方がいい選択数を紹介していきます。
>5〜9個(7±2)
ジャムの実験を行ったシーナ・アイエンガー教授は選択肢は**5〜9個(7±2)**が最適と提唱しています。
つまり何かを選択する時、相手に選択させた時は脳にストレスがかかりすぎないように商品やレパートリーは5〜9個に絞っておくといいです。
>松竹梅の法則
松竹梅の法則
とは値段・内容・質などを全てバラバラにして選択肢を3つにして相手にストレスを与えずに選んでもらえるものです。
また3つに絞ると**人間は真ん中のものを選びやすい傾向(ゴルディロックス効果)**があるため相手の選択肢をコントロールすることも可能になります。
そのため、5〜9個では多いなと思われる方は3択に絞って戦略を練ることも大切な戦略の1つです。
>1択のみはNG
これまで5〜9個や3つなどの数字を挙げていきましたが、相手が迷うくらいなら選択肢を1つだけにすればいいのではないか?と思いませんでしたか?
しかし、結論は選択肢をなくし1択のみにしてしまうのはやめた方がいいです。
なぜなら、人間の脳は物事を絶対的な評価よりも相対的に評価するからです。
例えば、〇〇県名物のお土産を選ぶ時にクッキーのプレーン味しか選択肢がなかったらどうですか?
きっと「もっと他にもいいのがあるのでは?」「〇〇県の他の名物は?」となると思います。
上記のようなことが起きると、別のお店に行ってしまったり、売りたかったものが売れなくなってしまうという状況になってしまうのです。
そのため最低でも2つ以上の選択肢を用意する事で相手に選んでもらうことができ、購入に繋がる導線ができるのです。
・デザインへの活用方法
デザインに商品やサービスについて取り入れる際につい選択肢を増やしてしまいそうになりますが、一番何を前に出したいのか、知ってほしいのかゴールを決めましょう。
ただ選択肢が増える事で選ぶ楽しさを相手に与えることはできます。
しかし、購入に繋がるかとなればまた別の問題です。
メニューの表示の仕方、売り出したい商品の表示の仕方、カテゴリーの数などクライアントとよく話あって、選択の幅を決めるといいと思います。
・まとめ
今回は「ジャムの法則」について紹介してきました。
選択肢が絞られている方が相手にとっては選択しやすいということがわかっていただけたでしょうか。
数が多ければ良いというわけではなく、それぞれの状況に応じて選択肢の幅を決めていってもらえたらいいなと思います。
また普段の生活の中でもジャムの法則は関係性が高いものでもあると思うので、自分自身で迷った時は先に3つ程決めるとスムーズに物事が進むかもしれませんね!
最後までご覧いただきありがとうございました。
また次回お会いしましょう。